第108回(H31) 看護師国家試験 解説【午後6~10】

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6 マズロー,A.H.の基本的欲求の階層で、食事・排泄・睡眠の欲求はどれか。

1.安全の欲求
2.自己実現の欲求
3.承認の欲求
4.生理的欲求

解答4

解説

(※図引用:STUDY HACKER様HP マズローの法則とは? 知っておくべき5つの「欲求」

マズローの欲求階層モデル

人間の欲求を自己実現に向かう5段階の階層で示したものである。最下層から最上層に向かって、①生理的欲求、②安全欲求、③認知欲求(愛と所属の欲求)、④承認欲求、⑤自己実現欲求の順である。
①生理的欲求:食事や睡民、排泄など、最も基本的な欲求
②安全欲求:人間が生きるための基本的な欲求、危険から逃れ、生活するうえでの安全・安定への欲求である。
③認知欲求、社会的欲求(愛と所属の欲求):友人や家族等の周囲の人々と関わりたいという集団への帰属を求める社会的な欲求である。
④承認欲求:自分が他者から価値のある存在であると認められたい、尊敬されたいという欲求である。
⑤自己実現欲求:自分の世界観・人生観に基づいて、「あるべき自分」になりたいと願う欲求である。
※近年、⑥自己超越の欲求を第6段階としては発表している。これは「社会をより良いものにしたい」など自分のエゴを超えたレベルの理念を実現したいという、他者や社会など自分の外にあるものにベクトルが向いている欲求である。

1.× 安全の欲求は、第2段階目に位置する人間が生きるための基本的な欲求、危険から逃れ、生活するうえでの安全・安定への欲求である。
2.× 自己実現の欲求は、最上層の第5段階目に位置する自分の世界観・人生観に基づいて、「あるべき自分」になりたいと願う欲求である。
3.× 承認の欲求は、第4段階目に位置する自分が他者から価値のある存在であると認められたい、尊敬されたいという欲求である。
4.〇 正しい。生理的欲求は、最下層の第1段階目に位置する食事・排泄・睡眠の欲求である。最も基本的な欲求とされる。

 

 

 

 

 

7 生後4か月の乳児の発達を評価するのはどれか。

1.寝返り
2.お座り
3.首のすわり
4.つかまり立ち

解答3

解説

(※図引用:「日本版デンバー式発達スクリーニング検査 」)

1.× 寝返りができるようになるのは、5~6か月である。
2.× お座りができるようになるのは、6~8か月である。
3.〇 正しい。首のすわり(定頸)ができるようになるのは、3~4か月である。
4.× つかまり立ちができるようになるのは、8~10か月である。

DENVER Ⅱ(デンバー発達判定法)

0~6歳の子どもが月齢を重ねるにつれてできるようになるさまざまな行動を、「個人‐社会」、「微細運動‐適応」、「言語」、「粗大運動」の4つの分野に分類し、それぞれの行動について、25・50・75・90%の通過率を図示している。発達の遅れを診断するものではなく、発達に問題のある子どもを早期に発見して的確な対応につなげるスクリーニングの目的で使用される。

 

 

 

 

8 エリクソン,E.H.の乳児期の心理・社会的発達段階で正しいのはどれか。

1.親密
2.同一性
3.自主性
4.基本的信頼

解答4

解説

エリクソン発達理論

 エリクソンとは、人間のライフサイクルを乳児期~老年期の8段階に分け、各段階の発達課題と心理・社会的危機があるとする発達理論を提唱した。

乳児期(0歳~1歳6ヶ月頃):基本的信頼感vs不信感
幼児前期(1歳6ヶ月頃~4歳):自律性vs恥・羞恥心
幼児後期(4歳~6歳):積極性(自発性)vs罪悪感
児童期・学童期(6歳~12歳):勤勉性vs劣等感
青年期(12歳~22歳):同一性(アイデンティティ)vs同一性の拡散
前成人期(就職して結婚するまでの時期):親密性vs孤立
成人期(結婚から子供が生まれる時期):生殖性vs自己没頭
壮年期(子供を産み育てる時期):世代性vs停滞性
老年期(子育てを終え、退職する時期~):自己統合(統合性)vs絶望

1.× 親密は、成人期の発達課題である。
2.× 同一性は、青年期の発達課題である。ちなみに、自己同一性とは、心理学や社会学において、「自分は何者なのか」という概念をさす。
3.× 自主性(積極性、自発性)は、幼児期の発達課題である。
4.〇 正しい。基本的信頼は、乳児期の発達課題となる。

 

 

 

 

 

9 成人の体重に占める体液の割合で最も高いのはどれか。

1.血漿
2.間質液
3.細胞内液
4.リンパ液

解答3

解説

体液の割合

人体は体重の約60%が水分(体液)で占められており、①細胞内液(40%)に、②細胞外液(20%)として分けられる。そのうち②細胞外液の内訳としては、細胞間質(間質液):15%、血管内(血漿):5%となる。

1.× 血漿は、細胞外液の約1/4(体重の5%)に相当する。血漿とは、血液の細胞以外の成分である。血液の約60%を占め、残り40%が血球(赤血球、白血球、血小板)である。
2.× 間質液は、細胞外液の約3/4(体重の15%)に相当する。間質液とは、多細胞生物の組織において細胞を浸す液体であり、細胞外液のうち血液とリンパ管の中を流れるリンパ液を除く体液である。
3.〇 正しい。細胞内液は、体液の約2/3(体重の40%)に相当する。
4.× リンパ液は、細胞外液であるが、量的にはわずかである。リンパ液とは、血管から染み出した血漿やタンパク質の成分などが、毛細リンパ管に再吸収されたものである。働きとして、老廃物の回収などの働きがある。

 

 

 

 

10 要介護者に対し、看護・医学的管理の下で必要な医療や日常生活上の世話を行うのはどれか。

1.介護老人保健施設
2.短期入所生活介護
3.保健センター
4.有料老人ホーム

解答1

解説

1.〇 正しい。介護老人保健施設が、要介護者に対し、看護・医学的管理の下で必要な医療や日常生活上の世話を行う。介護老人保健施設とは、要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護・医学的管理のもと、介護および機能訓練その他必要な医療ならびに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設である。
2.× 短期入所生活介護(ショートステイ)とは、施設に短期間入所して日常生活の世話レクリエーションリハビリテーションなどを受けられるサービスである。介護者の介護疲れを予防するために利用することも可能である。
3.× 保健センターとは、市町村が設置・運営している。地域住民に対して直接的な保健サービスを提供することを目的としている。保健センターは設置することが義務ではないため、市町村に保健センターがない場合もある。名称についても「保健福祉センター」、「健康センター」などと称する場合がある。市町村保健センターとは、健康相談、保健指導、健康診査など、地域保健に関する事業を地域住民に行うための施設である。地域保健法に基づいて多くの市町村に設置されている。産前・産後の事業も行われている。
4.× 有料老人ホームとは、老人福祉法を根拠として、常時1人以上の老人を入所させ、介護等サービスを提供することを目的とした施設で、老人福祉施設でないものである。食事の提供、介護(入浴・排泄など)の提供、洗濯・掃除等の家事の供与、健康管理のうち、いずれかのサービス(複数も可)を提供している施設とされている。

地域産業保健センターとは?

産業保健総合支援センターの目的は、事業主等に対し職場の健康管理への啓発を行うことで、事業者や産業保健スタッフ等を対象に、専門的な相談への対応や研修等を行う。主な業務内容として、①産業保健関係者からの専門的な相談への対応、②産業保健スタッフへの研修、③メンタルヘルス対策の普及促進のための個別訪問支援、④管理監督者向けメンタルヘルス教育、⑤事業者・労働者に対する啓発セミナー、⑥産業保健に関する情報提供、⑦地域窓口(地域産業保健センター)の運営である。

地域窓口(地域産業保健センター)は、労働基準監督署の管轄区域ごとに相談窓口を設置し、産業医の選任義務のない従業員50人未満の職場の事業主や従業員を対象に、医師・保健師による健康相談や面接指導などのサービスを無料で行っている。主な業務内容として、①相談対応(メンタルヘルスを含む労働者の健康管理、健康診断の結果について医師からの意見聴取、長時間労慟者に対する面接指導等)、②個別訪問指導(医師等による職場巡視)、③産業保健に関する情報提供である。

 

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