第109回(R2) 看護師国家試験 解説【午前26~30】

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26 固有心筋の特徴はどれか。

1.平滑筋である。
2.骨格筋よりも不応期が短い。
3.活動電位にプラトー相がみられる。
4.筋層は右心室の方が左心室より厚い。

解答3

解説

(図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)

固有心筋とは?

固有心筋とは、ポンプとして働く心筋のことをさす。

1.× 固有心筋は、「平滑筋」ではなく横紋筋からなる不随意筋である。筋肉には、①横紋筋(骨格筋、心筋)と②平滑筋に分けられる。横紋筋で随意筋は「骨格筋」、横紋筋で不随意筋は「心筋」である。一方、平滑筋は、内臓や血管・皮膚(立毛筋)などに分布している。
2.× 固有心筋は骨格筋よりも不応期が、「短い」のではなく長い。なぜなら、不応期が長いことで、洞結節による正規の刺激以外からの興奮を受け付けないようにし、心筋の異常興奮を防いでいるため。心筋には、脱分極を生じている間は、そこに新たな刺激を加えても反応を示さない特性がある。この期間を不応期という。不応期には、①絶対的不応期と②相対的不応期がある。R-Tの頂点を絶対不応期といい、絶対不応期は、いかなる強い刺激を与えても反応しない時期である。T波の頂点からT波の終わりまでを相対不応期といい、相対不応期は、比較的強い刺激である場合には反応する。
3.〇 正しい。固有心筋は、活動電位にプラトー相がみられる。プラトー相とは、0電位付近での持続的な脱分極状態のことをいう。心筋細胞の活動電位は、神経の活動電位と原則的には同一であるが、0電位付近での再分極の速度が極端に遅い特徴を持つため、正電位も負電位も生じておらず、これにより長い不応期をもつことができる。これは、心電図上ではST間にあたる。
4.× 固有心筋の筋層は右心室の方が左心室より、「厚い」のはなく薄い。なぜなら、左心室は全身へ血液を送り出すポンプとして機能するため。

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27 小細胞癌で正しいのはどれか。

1.患者数は非小細胞癌より多い。
2.肺末梢側に発生しやすい。
3.悪性度の低い癌である。
4.治療は化学療法を行う。

解答4

解説

小細胞癌とは?

小細胞癌とは、肺がんの分類の一種で、肺がんの約10%を占め、肺がんの組織型の中では3番目に多いものである。 肺癌は、がんの組織の状態(組織型)によって、小細胞癌と非小細胞癌に分けられる。小細胞肺がんは、ほかの組織型と比べて進行が速く転移しやすいため、外科治療(手術)が可能な時期に発見されることは少なく、手術が行われることはまれである。発見した時には腫瘍やリンパ節転移が大きくなっていることが多く、根治することが難しいのが特徴である。タバコとの関係が強いがんのひとつで、気管支が分かれて肺に入っていく肺門(肺の中心部)に発生しやすいが、細い気管支が広がっている肺野どちらにも発生する。

1.× 患者数は非小細胞癌より、「多い」のではなく少ない。 肺癌は、がんの組織の状態(組織型)によって、小細胞癌と非小細胞癌に分けられる。肺癌患者のうち、小細胞癌の割合は約15%である。一方、非小細胞癌の割合は、約80%を占め、「腺がん」「扁平上皮がん」「大細胞がん」などに分類される。 中でも一番多いのが「腺がん」で、肺がん全体の約50%を占める。
2.× 好発部位は、「肺末梢側」ではなく中枢気管支である。なぜなら、喫煙と関係があり、たばこに含まれるタールが中枢気管支に沈着しやすいため。小細胞癌とは、タバコとの関係が強いがんのひとつで、気管支が分かれて肺に入っていく肺門(肺の中心部)に発生しやすいが、細い気管支が広がっている肺野どちらにも発生する。
3.× 悪性度の「低い」ではなく高い癌である。悪性度とは、がんが増殖したり広がったりする速さ(侵攻性)の尺度である。 がんの悪性度は、医師が予後(経過の見通し)を判定するのに役立つ。小細胞肺がんは、ほかの組織型と比べて進行が速く転移しやすいため、外科治療(手術)が可能な時期に発見されることは少なく、手術が行われることはまれである。発見した時には腫瘍やリンパ節転移が大きくなっていることが多く、根治することが難しいのが特徴である。
4.〇 正しい。治療は化学療法を行う。がんの化学療法とは、化学療法剤(抗がん剤、化学物質)を使ってがん細胞の増殖を抑えたり、破壊したりする事による治療法で、薬物療法とも呼ばれる。

 

 

 

 

28 脳梗塞を最も早期に検出できる画像検査はどれか。

1.シンチグラフィ
2.磁気共鳴画像(MRI)
3.磁気共鳴血管画像(MRA)
4.コンピュータ断層撮影(CT)

解答2

解説

1.× シンチグラフィは、 腫瘍各種臓器の機能の診断に使われる。シンチグラフィとは、体内に投与した放射性同位体から放出される放射線を検出し、その分布を画像化したものである。
2.〇 正しい。磁気共鳴画像(MRI)は、脳梗塞を最も早期に検出できる画像検査である。MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)では、T2強調像により、腱板は黒、断裂部(関節液)は白く映るため、軟部組織の病変(ヘルニア)や小さな病変(脳腫瘍、小梗塞、脱髄巣など)の診断能力に優れている。T1強調像により、高信号(白)は脂肪(亜急性期の出血)・低信号(黒)は水(慢性期の出血)となる。脳回の萎縮、側室の拡大といった解剖構造を診るのに適している。つまり、多くのモードで撮影することができ、多くの病変を鋭敏に診るのに適している。
3.× 磁気共鳴血管画像(MRA)とは、頭蓋内の主要脳動脈を描出する撮影法で、血管内の血流を選択して画像化できる。脳動脈の狭窄や閉塞の有無は検出できる。
4.× コンピュータ断層撮影(CT)とは、脳出血を白く、脳梗塞は黒く画像化することができる。しかし、脳梗塞を発病して間もない時期では、CT検査には映らず、約1日たたないと検出されない。したがって、多くは脳出血を疑うときに撮影することが多い。

核磁気共鳴画像とは?

核磁気共鳴画像法(MRI)とは、核磁気共鳴現象を利用して生体内の内部の情報を画像にする方法である。治療前にがんの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べたり、治療の効果を判定したり、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査である。

【MRI検査の禁忌】
①体内の電子電機部品(ペースメーカ、移植蝸牛刺激装置(人工内耳)、植込み型除細動器、神経刺激器、植込み型プログラマブル注入ポンプ):MRI対応型もあるためしっかり確認する。
②素材の確認できない脳動脈クリップ:MRI対応型もあるためしっかり確認する。
③目や脳など特定の重要臓器に迷入した鉄片などの強磁性体の破片
④眼部のインプラントや材料で強磁性金属を使用しているもの
⑤磁場によって活性化するもの(磁力で装着する義眼、磁石部分が脱着不能な義歯など)
⑥目のメークアップ用品、カラーコンタクト
⑦入れ墨
⑧補聴器
⑨いくつかの管腔内デバイス
⑩ニトログリセリン真皮浸透絆創膏

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【9問】MRI検査についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

29 公費医療と法の組合せで正しいのはどれか。

1.未熟児の養育医療:医療法
2.結核児童の療養給付:児童福祉法
3.麻薬中毒者の措置入院:精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)
4.定期予防接種による健康被害の救済措置:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)

解答2

解説

1.× 未熟児の養育医療は、「医療法」ではなく『母子保健法』で定められている。医療法とは、病院、診療所、助産院の開設、管理、整備の方法などを定める日本の法律である。①医療を受けるものの利益と保護、②良好かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保を主目的としている。ちなみに、母子保健法とは、母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進を図るため、母子保健に関する原理を明らかにするとともに、母性並びに乳児及び幼児に対する保健指導、健康診査、医療その他の措置を講じ、もって国民保健の向上に寄与することを目的として制定された法律である。
2.〇 正しい。結核児童の療養給付は、児童福祉法で定められている。児童福祉法とは、児童の福祉を担当する公的機関の組織や、各種施設及び事業に関する基本原則を定める日本の法律である。児童が良好な環境において生まれ、且つ、心身ともに健やかに育成されるよう、保育、母子保護、児童虐待防止対策を含むすべての児童の福祉を支援する法律である。
3.× 麻薬中毒者の措置入院は、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)」ではなく、『麻薬及び向精神薬取締法』で定められている。精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)とは、①精神障害者の医療及び保護を行うこと、②障害者総合支援法とともに、精神障害者の社会復帰の促進、自立と社会経済活動への参加の促進のために必要な援助を行うこと、③精神疾患の発生の予防や、国民の精神的健康の保持及び増進に努めることによって、精神障害者の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図ることを目的とした法律である(参考:「精神保健福祉法について」厚生労働省HPより)。ちなみに、麻薬及び向精神薬取締法とは、麻薬と向精神薬の乱用を防止し、中毒者に必要な医療を行うなどの措置を講じ、生産や流通について必要な規制を執り行うことによって、公共の福祉の増進を図ることを目的としている日本の法律である。
4.× 定期予防接種による健康被害の救済措置は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」ではなく、『予防接種法』で定められている。感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)とは、感染症の予防及び感染症患者に対する医療に関する措置について定めた日本の法律である。平成10年(1998年)に制定された。主な内容は、①1~5類感染症の分類と定義、②情報の収集・公表、③感染症(結核を含む)への対応や処置である。ちなみに、予防接種法とは、公衆衛生の観点から伝染のおそれがある疾病の発生・まん延を予防するためにワクチンの予防接種を行うとともに、予防接種による健康被害の迅速な救済を図ることを目的として制定された日本の法律である。予防接種法に基づく予防接種には、①定期予防接種と②臨時予防接種があり、定期予防接種の対象疾患には、①A類疾病と②B類疾病がある。さらに同法に基づかない任意接種もある。

 

 

 

 

30 廃棄する物とその区分との組合せで正しいのはどれか。

1.滅菌パックの袋:産業廃棄物
2.エックス線フィルム:一般廃棄物
3.血液の付着したメスの刃:感染性産業廃棄物
4.pH 12.5以上のアルカリ性の廃液:感染性一般廃棄物

解答3

解説

標準予防策〈standard precautions〉とは?

標準予防策〈standard precautions〉とは、院内感染の防止策として推奨されている方法である。感染の有無に関わらず入院患者すべてに適用される予防対策であり、患者の血液や体液、分泌、排泄されるすべての湿性物質、粘膜、創傷の皮膚などは感染の恐れがあるとみなして、対応、行動する方法である。

1.× 滅菌パックの袋は、「産業廃棄物」ではなく一般廃棄物(一般ごみのこと)である。一般廃棄物とは、産業廃棄物以外の廃棄物であり、医療関係機関等からは紙くず、包帯、脱脂綿等が発生するがこれらのうち感染性廃棄物であるものを感染性一般廃棄物という。
2.× エックス線フィルムは、「一般廃棄物」ではなく産業廃棄物である。産業廃棄物とは、法で6種類、令で14種類の廃棄物が定められており、医療関係機関等からは血液(廃アルカリ又は汚泥)、注射針(金属くず)、レントゲン定着液(廃酸)等が発生する。これらのうち感染性廃棄物であるものを感染性産業廃棄物といい、感染性がないものを非感染性産業廃棄物という。 
3.〇 正しい。血液の付着したメスの刃は、感染性産業廃棄物である。ほかの感染性産業廃棄物には、注射針血液などがある。
4.× pH 12.5以上のアルカリ性の廃液は、「感染性一般廃棄物」ではなく、特別管理産業廃棄物である。廃棄物処理法では、「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」を特別管理廃棄物として規定している。例えば、廃油、廃酸、廃アルカリ、感染性産業廃棄物などが該当する。

(※図引用:「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」環境省HPより)

 

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