第110回(R3) 看護師国家試験 解説【午前51~55】

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51 高齢者がMRI検査を受ける前に、看護師が確認する内容で適切なのはどれか。

1.「夜はよく眠れますか」
2.「義歯を装着していますか」
3.「呼吸が苦しいことはありますか」
4.「水を飲むときにむせることはありますか」

解答2

解説

MRI検査とは?

核磁気共鳴画像法(MRI)とは、核磁気共鳴現象を利用して生体内の内部の情報を画像にする方法である。治療前にがんの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べたり、治療の効果を判定したり、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査である。

【MRI検査の禁忌】
①体内の電子電機部品(ペースメーカ、移植蝸牛刺激装置(人工内耳)、植込み型除細動器、神経刺激器、植込み型プログラマブル注入ポンプ):MRI対応型もあるためしっかり確認する。
②素材の確認できない脳動脈クリップ:MRI対応型もあるためしっかり確認する。
③目や脳など特定の重要臓器に迷入した鉄片などの強磁性体の破片
④眼部のインプラントや材料で強磁性金属を使用しているもの
⑤磁場によって活性化するもの(磁力で装着する義眼、磁石部分が脱着不能な義歯など)
⑥目のメークアップ用品、カラーコンタクト
⑦入れ墨
⑧補聴器
⑨いくつかの管腔内デバイス
⑩ニトログリセリン真皮浸透絆創膏

1.3.× 夜はよく眠れること/呼吸が苦しいことを聞く優先度は低い。なぜなら、MRI検査は、身体侵襲を伴わない検査であるため。療前にがんの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べたり、治療の効果を判定したり、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査である。
2.〇 正しい。「義歯を装着していますか」と必ず聞く。なぜなら、強い磁力の発生するMRI検査室では、金属類の持ち込みが禁忌であるため。
4.× 水を飲むときにむせることを聞く優先度は低い。なぜなら、MRI検査による誤嚥のリスクはないため。しかし造影MRIの場合は、副作用である嘔吐による誤嚥リスクがあるため、注意が必要である。造影剤を用いるCT、MRI検査では、副作用である嘔吐による誤嚥を防ぐため検査前4時間程度は禁飲食とする。造影剤を用いない場合、食事制限はない。

 

 

 

 

 

 

52 養育医療が定められている法律はどれか。

1.児童福祉法
2.母子保健法
3.発達障害者支援法
4.児童虐待の防止等に関する法律

解答2

解説

養育医療とは?

養育医療とは、入院治療を必要とする対象者に該当する乳児(出生時体重が2000g以下だった乳児、低体温、強い黄疸などの症状を示す乳児)に対して、健やかに成長できるよう、その養育に必要な医療を給付するものである。 指定医療機関において、診察・医学的処置・治療等の給付が受けられる。

1.× 児童福祉法とは、児童の福祉を担当する公的機関の組織や、各種施設及び事業に関する基本原則を定める日本の法律である。児童が良好な環境において生まれ、且つ、心身ともに健やかに育成されるよう、保育、母子保護、児童虐待防止対策を含むすべての児童の福祉を支援する法律である。
2.〇 正しい。母子保健法は、養育医療が定められている法律である。母子保健法とは、母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進を図るため、母子保健に関する原理を明らかにするとともに、母性並びに乳児及び幼児に対する保健指導、健康診査、医療その他の措置を講じ、もって国民保健の向上に寄与することを目的として制定された法律である。養育医療のほかに、妊婦健康診査や母子健康手帳の交付、子育て世代包括支援センターの設置などが規定されている。
3.× 発達障害者支援法とは、発達障害(自閉症、アスペルガー症候群、学習障害など)を持つ者に対する援助等について定めた法律である。発達障害を早期に発見し支援することで、発達障害者の自立および社会参加のための生活支援と共生社会の実現を目的とする法律である。発達障害の定義や発達障害者支援センターなどが規定されている。
4.× 児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)とは、児童虐待防止に関する施策を促進し、児童の権利・利益を擁護することを目的としている。児童に対する虐待の禁止、虐待に関する地方自治体の責務、児童の保護措置などが規定されている。

児童相談所とは?

児童相談所は、「児童福祉法」に基づいて設置される行政機関であり、都道府県、指定都市で必置となっている。原則18歳未満の子供に関する相談や通告について、子供本人・家族・学校の先生・地域の方々など、どなたからも受け付けている。児童相談所は、すべての子供が心身ともに健やかに育ち、その持てる力を最大限に発揮できるように家族等を援助し、ともに考え、問題を解決していく専門の相談機関である。

職員:児童福祉司、児童心理司、医師または保健師、弁護士 等。所長は、医師で一定の者、大学等で心理学を専修する学科を卒業した者、社会福祉士、児童福祉司で一定の者 等。

【業務内容】
①市町村への援助(市町村相互間の連絡調整、情報提供、研修その他必要な援助)
②児童・その家庭の相談のうち、専門的な知識・技術を必要とする者への対応
③児童・その家庭の必要な調査、医学的、心理学的、教育学的、社会学的、精神保健上の判定
④調査、判定に基づいた児童の健康・発達に関する専門的な指導
⑤児童の一時保護
⑥児童福祉施設等への入所措置
⑦一時保護解除後の家庭・その他の環境調整,児童の状況把握・その他の措置による児童の安全確保
⑧里親に関する業務
⑨養子縁組に関する相談・支援

(参考:「児童相談所とは」東京都児童相談センター・児童相談所様HPより)

 

 

 

 

53 乳幼児身体発育調査による、身体発育曲線のパーセンタイル値で正しいのはどれか。

1.3パーセンタイル未満の児は、要精密検査となる。
2.50パーセンタイルは同年齢同性の児の平均値を示す。
3.10パーセンタイルは同年齢同性の児の平均より10%小さいことを示す。
4.75パーセンタイル以上90パーセンタイル未満の児は、要経過観察となる。

解答1

解説

(図引用:「平成 22 年乳幼児身体発育調査報告書(概要)」厚生労働省HPより)

パーセンタイル値とは?

パーセンタイル値は、乳幼児の身長・体重・頭囲・胸囲について評価するための指標のひとつである。計測値を小さいものから大きいものへと順番に並べ、全体を100として何番目であるかを表したものである。10パーセンタイルから90パーセンタイルまでは正常範囲とされる。

1.〇 正しい。3パーセンタイル未満の児は、要精密検査となる。要精密検査と判断する基準として、3パーセンタイル未満97パーセンタイルを超える場合であり、乳幼児健診では病院の受診を勧める。
2.× 50パーセンタイルは、同年齢同性の児の「平均値」ではなく中央値を示す。50パーセンタイルは、全体を100とした場合に計測値の小さいものから数えて50番目に位置することを示している。中央値とは、有限個のデータを小さい順に並べたとき中央に位置する値のことである。つまり、データの数値を小さい順に並べた時にちょうどまんなかの値である。一方、平均値とは、複数の数値に対して、個々を全て足し合わせた後、数値の個数で割った値のことである。
3.× 10パーセンタイルは、同年齢同性の児の「平均より10%小さいこと」ではなく、「全体を100とした場合に計測値の小さいものから10番目に位置する」ことを示す。
4.× 75パーセンタイル以上90パーセンタイル未満の児は、「要経過観察」ではなく正常範囲である。ちなみに、要経過観察は、10パーセンタイル未満90パーセンタイルを超える場合である。

 

 

 

 

 

 

54 Aちゃん(11歳、女児)は、5日前から両側の眼瞼浮腫と急な体重増加があり、尿量が少ないため来院した。高度の蛋白尿もみられたため入院し、ネフローゼ症候群と診断されステロイド治療の方針となった。
 現時点でのAちゃんへの看護で適切なのはどれか。

1.水分摂取を促す。
2.病院内を散歩して良いと伝える。
3.糖分の摂取制限があることを伝える。
4.一時的に満月様顔貌になることを説明する。

解答4

解説

本症例のポイント

・Aちゃん(11歳、女児)
・5日前:両側の眼瞼浮腫、急な体重増加、尿量が少ない、高度の蛋白尿
・診断名:ネフローゼ症候群
ステロイド治療の方針へ。
→ネフローゼ症候群とは、尿から大量の蛋白が漏れ出すことで血液中の蛋白が減少、血液の浸透圧が低下し水分が血管内から血管外へ移動することで、全身の浮腫や腹水・胸水などを引き起こすものである。小児の治療として、ステロイド治療により改善するが多い。ネフローゼ症候群に対する食事に関しては、蛋白尿が陽性の間は減塩食にする。一般的に水分の制限は必要ないとされており、その理由は水分制限による脱水や血栓症の危険性が増加するためである。

1.× あえて水分摂取を「促す」必要はない。なぜなら、水分摂取を促すと、全身の浮腫や腹水・胸水などが悪化するため。ネフローゼ症候群に対する食事に関しては、蛋白尿が陽性の間は減塩食にする。一般的に水分の制限は必要ないとされており、その理由は水分制限による脱水や血栓症の危険性が増加するためである。
2.× 「病院内を散歩して良い」と伝えることはできない。病棟内の移動の指示は、病状の関与が大きい場合は医師が、運動機能の関与が大きい場合は理学療法士が出すことが多い。また、蛋白尿が出ている時期も高血圧などを認めなければ、原則的に過度の安静は不要であるが、本症例の場合、過度の体重減少や治療方針が決まったばかりである。病棟内の移動は、一度医師に確認をとって伝えるのが望ましい。ちなみに、理学療法士とは、医師の指示のもとに治療体操や運動・マッサージ・電気刺激・温熱などの物理的手段を用いて、運動機能の回復を目的とした治療法・物理療法(理学療法)を行う専門職である。
3.× 糖分の摂取制限は、「ネフローゼ症候群」ではなく糖尿病に対し行う。ネフローゼ症候群に対する食事に関しては、蛋白尿が陽性の間は減塩食にする。一般的に水分の制限は必要ないとされており、その理由は水分制限による脱水や血栓症の危険性が増加するためである。
4.〇 正しい。一時的に満月様顔貌(ムーンフェイス)になることを説明するステロイド治療により、満月様顔貌(ムーンフェイス)やにきび・肌荒れなどを一時的に生じる。多くは薬剤の減量により改善するが、美容的な観点から自己判断で治療を中止することもあるため注意が必要である。副腎皮質ステロイドの副作用はこの他に、易感染、中心性肥満、満月様顔貌、高血糖、筋萎縮、赤色皮膚線条、多毛症、精神症状などがみられる。

ステロイドの副作用

【ステロイドの機序】
ステロイドは細胞の中に入った後にグルココルチコイド受容体に結合する。ステロイドの結合したグルココルチコイド受容体は、細胞の核内へ移行し、炎症に関与する遺伝子の発現を調節すると言われている。 この結果として強力な抗炎症作用と免疫抑制作用が発揮される。

【ステロイドの副作用】
軽度:中心性肥満、体重増加、満月様顔貌
重度:消化管潰瘍、糖尿病、感染症、骨粗鬆症・骨壊死、筋炎、精神症状(抑うつ、せん妄)

ステロイドを長期的に内服した場合、体内でステロイドホルモンが分泌されなくなることがある。そのため、急に薬の内服を止めると体内のステロイドホルモンが不足し、倦怠感や血圧低下、吐き気、低血糖などの症状が起こることがある。これをステロイド離脱症候群という。

(※参考:「副腎皮質ステロイド」日本リウマチ学会様HP)

 

 

 

 

55 子どもの遊びで正しいのはどれか。

1.身体機能の発達を促す。
2.1歳でごっこ遊びが多くみられる。
3.感覚遊びは8歳ころからみられるようになる。
4.テレビの長時間視聴は乳児の言語発達を促す。

解答1

解説

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(※図:「デンバー式発達スクリーニング検査」)

1.〇 正しい。身体機能の発達を促す。子どもは遊びを通して、身体機能、知的機能、情緒・社会性が発達していく。手遊び、手押し車、かけっこなど手足や身体全体を動かして遊ぶことで、微細運動機能、粗大運動機能の発達を促す。
2.× ごっこ遊びが多くみられるのは、「1歳」ではなく、3~4歳である。1歳半頃から始まる。ごっこ遊びとは、ままごと・電車ごっこなど周囲の様々な生活や自然をまねることによって楽しむ遊びである。模倣遊びともいう。
3.× 感覚遊びは、「8歳ころ」からではなく、乳児期を中心に1歳半頃までみられる。感覚遊びとは、目で見たり、耳で聞いたりと感覚機能を働かせて楽しさを感じる遊びのことである。
4.× テレビの長時間視聴は、乳児の言語発達を妨げることが多い。テレビや動画の長時間視聴は、人とのかかわり体験を不足させ、言葉やこころの発達を妨げる。そのため、2歳までのテレビや動画の視聴は控えるのがよい。

(※図引用:「乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です」日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会様HPより)

 

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