第111回(R4) 看護師国家試験 解説【午前6~10】

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

 

6 マズロー,A.H.の基本的欲求の階層で社会的欲求はどれか。(※不適切問題:解2つ)

1.安全の欲求
2.帰属の欲求
3.承認の欲求
4.睡眠の欲求

解答2・3(複数選択肢を正解とする)
理由:複数の正解があるため。

解説

マズローの欲求階層モデル

人間の欲求を自己実現に向かう5段階の階層で示したものである。最下層から最上層に向かって、①生理的欲求、②安全欲求、③認知欲求(愛と所属の欲求)、④承認欲求、⑤自己実現欲求の順である。
①生理的欲求:食事や睡民、排泄など、最も基本的な欲求
②安全欲求:人間が生きるための基本的な欲求、危険から逃れ、生活するうえでの安全・安定への欲求である。
③認知欲求、社会的欲求(愛と所属の欲求):友人や家族等の周囲の人々と関わりたいという集団への帰属を求める社会的な欲求である。
④承認欲求:自分が他者から価値のある存在であると認められたい、尊敬されたいという欲求である。
⑤自己実現欲求:自分の世界観・人生観に基づいて、「あるべき自分」になりたいと願う欲求である。
※近年、⑥自己超越の欲求を第6段階としては発表している。これは「社会をより良いものにしたい」など自分のエゴを超えたレベルの理念を実現したいという、他者や社会など自分の外にあるものにベクトルが向いている欲求である。

1.× 安全の欲求とは、人間が生きるための基本的な欲求、危険から逃れ、生活するうえでの安全・安定への欲求である。第2段階に該当する。
2.〇 正しい。帰属の欲求は、社会的欲求である。社会的欲求とは、認知欲求、愛と所属の欲求ともいい、友人や家族等の周囲の人々と関わりたいという集団への帰属を求める社会的な欲求である。第3段階に該当する。
3.△ 承認の欲求とは、自分が他者から価値のある存在であると認められたい、尊敬されたいという欲求である。第4段階に該当する。厚生労働省の解答は、承認の欲求も社会的欲求に含まれる。
4.× 睡眠の欲求とは、生理的欲求に該当する。生理的欲求とは、食事や睡民、排泄など、最も基本的な欲求のことで第1段階に該当する。

(※画像引用:STUDY HACKER様HP

 

 

 

 

 

7 胎児循環で胎児から胎盤に血液を送るのはどれか。

1.総頸動脈
2.肺動脈
3.臍動脈
4.臍静脈

解答3

解説

(※図引用:「看護師イラスト集」看護roo!)

1.× 総頸動脈は、胸鎖乳突筋の前縁(頚部の前外側)で触知できる血管である。血圧低下時や血圧低下時、特に橈骨動脈や大腿動脈で触れない場合に触知する。収縮期血圧60mmHgまで触れる。注意するべきポイントとして、頸動脈洞反射を予防するため、両側を圧迫せず片側ずつ触知する。
2.× 肺動脈とは、 心臓から肺に血液を送るための血管である。肺動脈は、脱酸素化された血液を運ぶ唯一の動脈である。一方、肺静脈は、酸素化された血液を運ぶ唯一の静脈である。
3.〇 正しい。臍動脈は、胎児循環で胎児から胎盤に血液を送る。したがって、胎児の体内で発生した二酸化炭素や老廃物を多く含む静脈血が流れる。
4.× 臍静脈は、胎児循環で胎盤から胎児に血液を送る。胎盤で酸素と栄養を受け取った動脈血の約50%は、臍帯の臍静脈を経て胎児の体内に入り、胎児の静脈管を通過して下大静脈に合流する。つまり、胎児は胎盤で主にガス交換を行う。

 

 

 

 

8 学童期の脈拍数の基準値はどれか。

1.50〜70/分
2.80〜100/分
3.110〜130/分
4.140〜160/分

解答2

解説
1.× 50〜70/分は、高齢者の脈拍数の基準値である。
2.〇 正しい。80〜100/分は、学童期の脈拍数の基準値である。
3.× 110〜130/分は、乳児の脈拍数の基準値である。
4.× 140〜160/分は、胎児の脈拍数の基準値内である。胎児の正常心拍数は110~160bpmで、頻脈は160bpm以上をいう。

年齢別の脈拍数

・胎児:140〜160/分
・新生児:120〜140/分
・乳児:110〜130/分
・幼児:100〜110/分
・学童:80〜90/分
・成人:70〜80/分

 

 

 

 

 

9 日本の女性における平均閉経年齢に最も近いのはどれか。

1.30歳
2.40歳
3.50歳
4.60歳

解答3

解説

更年期障害

~更年期障害とは~
「閉経」とは、卵巣の活動性が次第に消失し、ついに月経が永久に停止した状態をいいます。月経が来ない状態が12か月以上続いた時に、1年前を振り返って閉経としています。日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、個人差が大きく、早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経を迎えます。
閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といいます。更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います(※引用:「更年期障害」日本産婦人科学会様HPより)。したがって、選択肢3.50歳が日本の女性における平均閉経年齢に最も近い。

更年期障害とは?

更年期障害とは、更年期に出現する器質的な変化に起因しない多彩な症状によって、日常生活に支障をきたす病態と定義される。更年期症状は大きく、①自律神経失調症状、②精神神経症状、③その他に分けられるが、各症状は重複して生じることが多い。治療の一つに、ホルモン補充療法(HRT)があげられる。ホルモン補充療法とは、エストロゲン(卵胞ホルモン)を補うことで、更年期障害を改善する治療法である。ほてり、のぼせ、発汗などといった代表的な症状に高い効果を示す。禁忌として、エストロゲン依存性悪性腫瘍(子宮内膜癌、乳癌)またその疑いのあるもの、重症肝機能障害、血栓性疾患などがあげられる。

 

 

 

 

10 令和元年(2019年)の国民生活基礎調査で次の世帯構造のうち最も少ないのはどれか。

1.単独世帯
2.三世代世帯
3.夫婦のみの世帯
4.夫婦と未婚の子のみの世帯

解答2

解説

世帯構造及び世帯類型の状況

2019(令和元)年6月6日現在における全国の世帯総数は5178万5千世帯となっている。世帯構造をみると、「単独世帯」が1490万7千世帯(全世帯の28.8%)で最も多く、次いで「夫婦と未婚の子のみの世帯」が1471万8千世帯(同28.4%)、「夫婦のみの世帯」が1263万9千世帯(同24.4%)となっている。世帯類型をみると、「高齢者世帯」は1487万8千世帯(全世帯の28.7%)となっている(※引用:「国民生活基礎調査」厚生労働省HPより)。

1.× 単独世帯は、28.8%である。
2.〇 正しい。三世代世帯は5.1%で、令和元年(2019年)の国民生活基礎調査で次の世帯構造のうち最も少ない。
3.× 夫婦のみの世帯は、24.4%である。
4.× 夫婦と未婚の子のみの世帯は、28.4%である。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)