第111回(R4) 看護師国家試験 解説【午後11~15】

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11 左心室から全身に血液を送り出す血管はどれか。

1.大静脈
2.大動脈
3.肺静脈
4.肺動脈

解答2

解説

(※図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)

1.× 大静脈とは、全身から心臓(右心房)に血液を送り出す血管である。
2.〇 正しい。大動脈とは、左心室から全身に血液を送り出す血管である。
3.× 肺静脈とは、肺から心臓(左心房)に血液を送り出す血管である。
4.× 肺動脈とは、心臓(右心房)から肺に血液を送り出す血管である。

 

 

 

 

 

12 内分泌器官はどれか。

1.乳腺
2.涙腺
3.甲状腺
4.唾液腺

解答3

解説

内分泌器官とは?

内分泌器官とは、ホルモンを分泌する器官の総称である。下垂体、甲状腺、副腎、卵巣、精巣(表)の他、松果体、脳、肝臓、心臓、膵臓、腎臓などがある。

外分泌器官とは、導管を介して分泌物を排出する器官である。 唾液腺、汗腺、涙腺、乳腺、胃腺などがある。外界と繋がっている。

1.× 乳腺は、外分泌器官である。乳腺とは、特殊な汗腺組織であり、乳汁を分泌するという働きを担っている。
2.× 涙腺は、外分泌器官である。涙腺は、涙を作り分泌する。
3.〇 正しい。甲状腺は、内分泌器官である。甲状腺は、甲状腺ホルモンを分泌しており、甲状腺ホルモンは、カラダ全体の新陳代謝を促進する働きがある。
4.× 唾液腺は、外分泌器官である。唾液腺とは、唾液を作る組織のことである。唾液腺には①大唾液腺と②小唾液腺があり、①大唾液腺は耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つからなる。ちなみに、小唾液腺は、口腔粘膜やのどの粘膜の一部に存在し、直接口腔内に唾液を分泌されている。

 

 

 

 

13 呼吸中枢があるのはどれか。

1.間脳
2.小脳
3.大脳
4.脳幹

解答4

解説

1.× 間脳とは、大脳と中脳の間にある脳の一部である。間脳は、神経細胞で大脳皮質、大脳基底核、脳幹、大脳辺縁系とつながっており、聴覚を除く感覚に関する情報を伝達し、自律神経の働きを調節する。
2.× 小脳とは、運動機能の調節や、平衡・眼球運動の調節を司る。後頭部の下方に位置する。
3.× 大脳とは、頭蓋骨直下に位置し、脳の中で最も幅広い機能を担っている部分である。人間では大きく発達しており、脳全体の80%ほどの重さを占めている。人間が考え、何かを感じ、言葉を話し、記憶する。
4.〇 正しい。脳幹は、呼吸中枢がある。呼吸中枢とは、呼吸運動の調節に働く中枢である。ヒトでは、脳幹の橋から延髄にかけての部分にある。呼気と吸気の交代とリズムの調節に関わるいくつかの機能を併せ持った複合的な中枢と考えられる。

 

 

 

 

 

14 細菌感染で起こるショックはどれか。

1.心原性ショック
2.敗血症性ショック
3.アナフィラキシーショック
4.循環血液量減少性ショック

解答2

解説

ショックとは?

ショックとは、体液の喪失、心臓機能の低下、血管系虚脱などにより組織への酸素供給が障害され、放置すれば進行性に全身の臓器還流障害から急速に死に至る重篤な病態である。頻度的に最も多いのは出血性ショックである。

1.× 心原性ショックとは、心ポンプ機能の低下により、全身諸組織における循環不全(安静時における組織代謝需要を満たす血流が供給されない状態)が生じ、低酸素、アシドーシス、毛細血管透過性亢進をきたす重篤な病態を指す。全身および心筋組織の循環不全、低酸素化が生じ、アシドーシス、フリーラジカルの発生、サイトカインの増加、白血球凝集、血管内皮障害、微小循環障害などが生じる。心原性ショックの原因として最も多いのは急性心筋梗塞である。他にも、心臓ポンプ機能の異常による心筋収縮力低下のほか、心筋変性や心タンポナーデによる心室拡張不全、頻脈や徐脈などの不整脈で心拍出量が低下するなど、さまざまな病態が原因になる。
2.〇 正しい。敗血症性ショックは、細菌感染で起こる。敗血症とは、感染症への反応が制御不能に陥ることで生命を脅かす臓器機能障害が生じる臨床症候群である。敗血症性ショックでは、組織灌流が危機的に減少する。肺・腎臓・肝臓をはじめとする急性多臓器不全が起こる場合もある。特に、新生児は免疫学的に未熟であるため重症化しやすく、肺炎や髄膜炎を併発することもある。そのため、早期診断、早期治療が極めて重要である。
3.× アナフィラキシーショックとは、アレルギー反応で起こるショックのことである。主にⅠ型アレルギー反応の結果、血管拡張や血管透過性の亢進による血漿漏出が生じ、循環血液量の減少をきたすことで起こる。アナフィラキシーショックの症状として(頻脈、血圧低下、意識障害、喉頭浮腫、呼吸困難)を引き起こす。
4.× 循環血液量減少性ショックとは、血管内容量の危機的な減少で起こるショックのことである。 静脈還流(前負荷)が減少すると、心室が充満せず、一回拍出量が減少する。 心拍数の増加によって代償されない限り、心拍出量は減少する。 一般的な原因は出血(出血性ショック)で、通常、外傷、外科手術、消化性潰瘍、食道静脈瘤、大動脈瘤破裂によって起こる。

敗血症とは?

肺血症とは、感染症への反応が制御不能に陥ることで生命を脅かす臓器機能障害が生じる臨床症候群である。つまり、感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされている状態といえる。そのなかでも敗血症性ショックは「急性循環不全により細胞障害および代謝異常が重度となり、死亡率を増加させる可能性のある状態」と定義される。組織灌流が危機的に減少し、肺・腎臓・肝臓をはじめとする急性多臓器不全が起こる場合もある。特に、新生児は免疫学的に未熟であるため重症化しやすく、肺炎や髄膜炎を併発することもある。そのため、早期診断、早期治療が極めて重要である。

【初期の症状】悪寒、全身のふるえ、発熱、発汗など。
【症状進行時】心拍数、呼吸数の増加、血圧低下、排尿困難、意識障害など。
【重症化】腎不全、肝不全といった臓器不全、敗血性ショックを招き、命を落とす危険が高まる。

 

 

 

 

15 低体温から回復するための生体の反応はどれか。

1.発汗
2.ふるえ
3.乳酸の蓄積
4.体表面への血流増加

解答2

解説
1~4.× 発汗/体表面への血流増加は、体温を下げる生体反応である。
2.〇 正しい。ふるえは、低体温から回復するための生体の反応である。この現象をふるえ熱産生という。小刻みな収縮:シバリングによって生体内で熱が産生される現象である。寒さによる「ふるえ」は骨格筋の不随意運動による筋収縮で発生するエネルギーが熱となるため、熱産生が増加する。
3.× 乳酸の蓄積は、体温調整と関連性が低い。乳酸とは、カラダを動かすエネルギーを作るため糖を分解している際にできる生成物である。

 

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