第115回(R8) 看護師国家試験 解説【午後26~30】

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26 蝸牛管頂部近くのCorti〈コルチ〉器で感知されるのはどれか。

1.高い音
2.低い音
3.大きい音
4.小さい音

解答

解説

(※画像引用:やまだカイロプラクティック院様)

1.× 高い音は、蝸牛の基底部近くのCorti〈コルチ〉器で感知される。なぜなら、基底部は硬く狭い構造で、高い周波数、つまり高音に反応しやすくなっているため。

2.〇 正しい。低い音は、蝸牛管頂部近くのCorti〈コルチ〉器で感知される。なぜなら、頂部近くの基底膜は柔らかく幅が広い構造で、低周波音に反応しやすい構造になっているため。

3~4.× 大きい音/小さい音(音の大きさ)は、主に有毛細胞の反応の強さや興奮する神経の数の違いで感じる。例えば、大きな音では基底膜の振動が大きくなり、有毛細胞の興奮も強くなる。

 

 

 

 

 

27 水素イオンが刺激となって感じる味覚はどれか。

1.塩味
2.甘味
3.酸味
4.うま味

解答

解説

1.× 塩味は、主にナトリウムイオン〈Na⁺〉によって感じる。食塩〈NaCl〉が唾液に溶けると、ナトリウムイオンと塩化物イオンに分かれ、このうち、主にナトリウムイオンが味細胞に作用し、塩味として認識される。

2.× 甘味は、糖類や甘味物質が味細胞の受容体に結合して生じる味覚である。例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖などの糖類や、人工甘味料などによって感じる。

3.〇 正しい。酸味は、酸性物質が放出する水素イオン〈H⁺〉が味細胞を刺激することで生じる。酸味とは、いわゆる「すっぱい」味である。食品中の酸が唾液中で解離して水素イオンを生じ、その水素イオンが味蕾の味細胞に作用する。

4.× うま味は、主にグルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸などが味受容体を刺激して生じる味覚である。うま味は、たんぱく質やアミノ酸に関連する味覚である。

 

 

 

 

 

28 ABO式血液型におけるオモテ検査とウラ検査の結果を表に示す。
 血液型判定の結果がAB型となるのはどれか。

1.①
2.②
3.③
4.④

解答

解説

ABO式血液型におけるオモテ検査とウラ検査

ABO式血液型の検査には、オモテ試験とウラ試験があり、2つの検査を必ず行います。

オモテ試験では、赤血球を使って検査を行います。赤血球に抗A抗体(A型あるいはAB型と反応する、あるいは抗B抗体(B型あるいはAB型と反応する)を加えて、赤血球が凝集(赤血球が塊を作る)するかを肉眼的に判定します。凝集があれば反応陽性と判定します。また、ウラ試験では、血清(血液のうち血液細胞以外の液体部分)を使って検査を行います。血清に標準赤血球(血液型判定用のA型あるいはB型の赤血球)を加えて、赤血球が凝集するかを判定します。A型ではB型赤血球と反応し、B型ではA型赤血球と反応します。O型では両者の赤血球と反応し、AB型ではどちらとも反応しません。

ABO式血液型の決定には、オモテ試験とウラ試験の検査結果が一致することが重要です。結果が一致しない場合にはいろいろな原因が考えられますので、血液型の判定は保留して精査が必要になります。Rh式血液型検査では、オモテ試験と同様に赤血球を使って検査を行います。抗D抗体(D因子と反応する)と反応した場合、Rh陽性と判定します。(※「血液型の検査について」著:日本臨床検査専門医会 窪田 良次)

1.× ①は、A型の判定となる。なぜなら、A型の人は、赤血球にA抗原を持ち、血清中に抗B抗体を持つため。
・オモテ検査では、患者の赤血球にどの抗原があるかを調べる。患者血球が抗A血清で凝集し、抗B血清では凝集しないため。これは患者赤血球にA抗原があり、B抗原はないことを示す。
・ウラ検査では、患者血清中の抗体を調べる。①では、A型血球とは凝集せず、B型血球とは凝集している。これは患者血清中に抗B抗体があることを示す。

2.× ②は、B型の判定となる。なぜなら、B型の人は、赤血球にB抗原を持ち、血清中に抗A抗体を持つため。

3.× ③は、O型の判定となる。なぜなら、O型の人は、赤血球にA抗原・B抗原を持たず、血清中に抗A抗体・抗B抗体の両方を持つため。

4.〇 正しい。は、AB型の判定となる。なぜなら、AB型の人は、抗A血清・抗B血清の両方で凝集し、患者血清はA型血球・B型血球のどちらとも凝集しないため。

 

 

 

 

 

29 Epstein-Barr〈EB〉ウイルスが発生に関与しているのはどれか。

1.舌癌
2.喉頭癌
3.食道癌
4.上咽頭癌

解答

解説

癌の発生病理と関係のある感染症

①肝細胞癌:B型、C型肝炎ウイルス
②子宮頸癌:ヒトパピローマウイルス(16,18型)
③上咽頭癌:Burkittリンパ腫、NK細胞リンパ腫:Epstein barrウイルス
④胃癌:ヘリコバクター・ピロリ菌
⑤胆管癌:肝吸虫

1.× 舌癌とは、舌がんは舌にできるがんである。原因不明であるが、危険因子として喫煙や飲酒による化学的な慢性刺激に加えて、虫歯や合わない詰め物、極端に傾いた歯などによる機械的な慢性刺激、さらには口の中の不衛生な状態などが挙げられる。 男女比は約2:1である。好発年齢は50歳代後半であるが、50歳未満が約1/4を占め、20~30歳代の若年者にも時々みられる。癌全体に対する発症頻度は、約1~2%(※口腔がん含め)である。

2.× 喉頭癌とは、声帯を含む部位の癌である。喉頭癌では嗄声、咽頭違和感、嚥下時痛、呼吸困難などがみられる。特に声門癌では、早期から声がれが出やすい。主要な危険因子は喫煙と飲酒である。

3.× 食道癌とは、食道に発生した上皮性腫瘍のことである。組織学的に約90%が扁平上皮癌である。好発部位は、胸部中部食道、胸部下部食道の順で、胸部中部食道が約50%を占める。アルコール、喫煙、熱い食事、Barret食道、アカラシアなどが誘因である。

4.〇 正しい。上咽頭癌は、Epstein-Barr〈EB〉ウイルスが発生に関与している。
・EBウイルス(エプスタイン・バーウイルス、Epsteir Barrウイルス)は、上咽頭癌やバーキットリンパ腫に関連する。バーキットリンパ腫とは、悪性リンパ腫のうち非ホジキンリンパ腫に分類される高悪性度のB細胞リンパ腫である。成人では悪性リンパ腫の1~2%程度あるが、小児では25~40%を占め、比較的若い人に多く発症する。女性1人に対し、男性が2~3人で男性に多い傾向がある。キスを介して感染する。

 

 

 

 

 

30 成人の単純ヘルペスウイルスによる脳炎の好発部位はどれか。

1.小脳
2.後頭葉
3.側頭葉
4.頭頂葉

解答

解説

成人の単純ヘルペスウイルス脳炎とは?

成人の単純ヘルペスウイルス脳炎は、主にHSV-1が脳に感染して起こる重い脳炎である。発熱、頭痛、意識障害、けいれん、異常行動、記憶障害などがみられ、側頭葉が障害されやすい。進行が早く、治療が遅れると後遺症や死亡につながるため、疑った時点で検査結果を待たずアシクロビルを点滴投与することが重要である。診断には髄液検査、HSV-PCR、MRI、脳波などを用いる。

1~2/4.× 小脳/後頭葉/頭頂葉より優先されるものが他にある

3.〇 正しい。側頭葉が、成人の単純ヘルペスウイルスによる脳炎の好発部位である。なぜなら、単純ヘルペス脳炎では、側頭葉内側部(特に側頭葉内側部、海馬、島回など)を中心とする辺縁系に病変を生じやすいため。側頭葉には、記憶や情動に関わる海馬・扁桃体などが近接する。

 

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