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31 医療提供施設について正しいのはどれか。
1.感染症病床における看護職員の人員配置基準は3:1である。
2.特定機能病院には、医療機器の共同利用の実施が求められる。
3.介護医療院は要介護高齢者に急性期医療を提供する施設である。
4.訪問看護ステーションの運営基準は医療法によって規定される。
解答1
解説
1.〇 正しい。感染症病床における看護職員の人員配置基準は3:1である。
・感染症病床とは、指定感染症の患者並びに新感染症の所見がある者を入院させるためのものをいう。病院の感染症病床について、人員配置標準として医師16:1、薬剤師70:1、看護職員3:1が示されている。
2.× 「特定機能病院」ではなく地域医療支援病院には、医療機器の共同利用の実施が求められる。
・地域医療支援病院とは、地域の病院・診療所の医師から、より詳しい検査や、専門的な医療が必要と紹介された患者さんに対して、適切な医療を提供することを目的に県知事の承認を受けた病院のことである。24時間体制による救急医療の提供、地域の医療機関と連携をとり、病院の施設・設備を共同で利用できる体制、地域の医療従事者の質向上を図るための研修を行うなど、地域医療の中核を担う役割がある。
・特定機能病院とは、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発及び高度の医療に関する研修を実施する能力等を備えた病院である。1992年6月改正、1993年4月施行の医療法の第2次改正によって制度化された日本の医療機関の機能別区分のうちのひとつで、あらかじめ社会保障審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が承認する必要がある。
3.× 介護医療院は、要介護高齢者に「急性期医療」ではなく長期療養を提供する施設である。
・介護医療院とは、要介護高齢者の長期療養・生活のための施設である。目的として、要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護および機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことである。
4.× 訪問看護ステーションの運営基準は、「医療法」ではなく健康保険法や介護保険法によって規定される。医療保険では健康保険法に基づく「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」、介護保険では介護保険法に基づく省令で規定される。
・医療法とは、病院、診療所、助産院の開設、管理、整備の方法などを定める日本の法律である。①医療を受けるものの利益と保護、②良好かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保を主目的としている。
32 救急医療に関する記述で正しいのはどれか。
1.救急医療情報センターは国が整備する。
2.救急搬送の約8割が軽傷・中等症患者である。
3.都道府県の健康増進計画に救急医療の連携が記載されている。
4.一般住民による自動体外式除細動器〈AED〉の使用はプレホスピタルケア〈病院前救護〉に該当する。
解答4
解説
自動体外式除細動器とは、心臓がけいれんし血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器である。AEDの除細動の適応は、①心室細動(VF)、②無脈性心室頻拍(VT)である。
1.× 救急医療情報センターは、「国」ではなく都道府県が整備する。なぜなら、救急医療情報センターは、地域の救急医療体制において医療機関の診療機能などを住民・救急搬送機関へ周知する仕組みであるため。
・救急医療情報センターとは、急病やけがの際に、受診できる医療機関を案内する窓口である。症状に応じて救急病院や休日・夜間診療先を紹介し、適切な受診につなげる役割がある。
2.× 救急搬送の「約8割」ではなく約9割が軽傷・中等症患者である。総務省消防庁の令和7年版「救急・救助の現況」では、令和6年中の救急自動車による搬送人員のうち、軽症46.8%、中等症44.6%であり、合計は91.4%である。
3.× 都道府県の「健康増進計画」ではなく医療計画に、救急医療の連携が記載されている。
・都道府県の健康増進計画は、住民の健康増進施策に関する計画である。健康増進法では、都道府県健康増進計画は「住民の健康の増進の推進に関する施策」についての基本的な計画とされている。
・救急医療の医療連携体制は、医療提供体制を定める医療計画の記載事項である。医療計画では、五疾病・五事業などの医療提供体制が扱われ、五事業には救急医療が含まれる。医療計画には、救急医療を含む事業に係る目標、医療連携体制、住民への情報提供推進策などが記載される。
4.〇 正しい。一般住民による自動体外式除細動器〈AED〉の使用は、プレホスピタルケア〈病院前救護〉に該当する。なぜなら、AED使用は、心停止者に対して病院到着前の現場で行われる救命処置であるため。
・プレホスピタルケアとは、病院に到着する前に行われる救護・応急処置である。救急隊による応急処置、心肺蘇生、酸素投与、搬送中の観察などが含まれ、命を守る重要な初期対応である。
33 クリティカルシンキングの思考過程として適切なのはどれか。
1.患者の希望を受け入れる。
2.患者の言葉を否定的にとらえる。
3.患者の情報を根拠に基づて解釈する。
4.患者の思いを看護師の看護観を基に分析する。
解答3
解説
クリティカルシンキングとは、批判的思考ともいい、物事を思い込みや感情だけで判断せず、情報や根拠をもとに筋道立てて考えることである。看護では、患者の状態や発言を正確にとらえ、適切な判断や援助につなげるために必要である。
1.× 患者の希望を受け入れる「だけでなく」、安全性・根拠・状況を踏まえて判断する思考である。
2.× 患者の言葉を「否定的」ではなく批判的にとらえる。情報を鵜呑みにせず、根拠を確認し、偏りや思い込みを避けて判断することである。
3.〇 正しい。患者の情報を根拠に基づいて解釈する。なぜなら、クリティカルシンキングは、収集した情報を客観的・論理的に分析し、根拠に基づいて判断する思考であるため。
4.× 患者の思いを看護師の看護観を基に分析する「ものではない」。なぜなら、看護師の看護観を基に分析すると、患者の価値観や背景を見落とす危険があるため。看護観とは、看護師が持つ看護に対する考え方や価値観である。
34 入院中のAさん(43歳、男性)は脳梗塞による利き手の片麻痺がある。
食事の自助具を選択することを目的に、看護師が連携する病院内の専門職で優先度が高いのはどれか。
1.義肢装具士
2.作業療法士
3.臨床工学技士
4.医療ソーシャルワーカー
解答2
解説
1.× 義肢装具士とは、法律上、「医師の指示の下に、義肢及び装具の装着部位の採型並びに義肢及び装具の製作及び身体への適合を行うことを業とする者」と定められ、医師の処方に従い患者さんの採型や採寸を行い、これを元に義肢装具を製作して、病院などで適合を行う。
2.〇 正しい。作業療法士が食事の自助具を選択する目的で、優先して連携する専門職である。
・作業療法士とは、医師の指示のもとに手工芸・芸術・遊びやスポーツ・日常動作などを行うことにより、障害者の身体運動機能や精神心理機能の改善を目指す治療(作業療法)を行う専門職である。つまり、食事動作等、日常生活動作の回復が役割である。
3.× 臨床工学技士とは、医療機器の専門医療職である。血液浄化装置、人工心肺装置、人工呼吸器といった生命維持管理装置を安全かつ的確に操作・管理するのが主な仕事である。
4.× 医療ソーシャルワーカーとは、社会福祉士や児童福祉司など社会福祉支援活動を行う人の総称で、病気になった患者や家族を社会福祉の立場からサポートする医療機関などにおける福祉の専門職である。社会福祉の立場から患者やその家族の抱える経済的・心理的・社会的問題の解決、調整を援助する役割がある。
35 コミュニケーションの方法として筆談が適しているのはどれか。
1.全失語
2.構音障害
3.運動性失語
4.感覚性失語
解答2
解説

1.× 全失語では、筆談は適しているとはいえない。なぜなら、全失語は、言語の理解と表出の両方が障害され、書字能力も障害されることが多いため。したがって、全失語では、表情、ジェスチャー、絵カード、写真、実物の提示、はい・いいえで答えられる簡単な質問などを組み合わせて支援する。
2.〇 正しい。構音障害は、コミュニケーションの方法として筆談が適している。なぜなら、構音障害は、言語機能そのものではなく、発声・発音に関わる筋肉の運動が障害される状態であるため。
3.× 運動性失語では、筆談は適しているとはいえない。なぜなら、運動性失語(ブローカ失語)は、発話だけでなく、書字を含む言語表出全体が障害されるため。
4.× 感覚性失語では、筆談は適しているとはいえない。なぜなら、感覚性失語(ウェルニッケ失語)は、言葉の理解が障害され、読字や書字にも障害がみられることが多いため。
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