【6問】痛風についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

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108回 午前

52 Aさん(47歳、男性、会社員)は、痛風の既往があり、ほぼ毎日、飲酒を伴う外食をしている。1週前に尿管結石による疝痛発作があり、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を受けた。その結果、排出された結石は尿酸結石であることがわかった。
 Aさんへの結石の再発予防に対する生活指導で適切なのはどれか。

1.「飲酒量に制限はありません」
2.「負荷の大きい運動をしましょう」
3.「1日2L程度の水分摂取をしましょう」
4.「動物性蛋白質を多く含む食品を摂取しましょう」

解答3

解説

本症例のポイント

・Aさん(47歳、男性、会社員、痛風の既往)
・飲酒・外食:ほぼ毎日。
・1週前:尿管結石による疝痛発作があり。
・体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を受けた。
・結果:尿酸結石である。
→痛風とは、体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気である。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれている。男性に頻発する単関節炎で、下肢、特に第1中足趾関節に好発する。尿酸はプリン体の代謝の最終産物として産生され、代謝異常があると尿酸の産生過剰・排泄障害が生じ高尿酸血症となる。高尿酸血症は痛風や腎臓などの臓器障害を引き起こすほか、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣を合併しやすい。

1.× 飲酒量の制限が必要である。なぜなら、アルコールの利尿作用により、血清尿酸値はさらに上昇するため。適量は1日に純アルコールで20gとされている。尿酸値が高い状態が続くと、血液中に溶けきれなくなった尿酸の結晶が関節に沈着する。他にも、激しい運動、ストレス、尿酸値の急激な変動などが誘因となる。
2.× 「負荷の大きい運動」ではなく有酸素運動が推奨される。なぜなら、筋トレや短距離走のような激しい運動(負荷の大きい運動)は、体内で作られるプリン体の量を増やし、尿酸を排泄する働きを抑えてしまい、血清尿酸値の上昇を招くため。一方、有酸素運動は、運動量が調整しやすく、痛風患者に合併しやすいメタボリック症候群の改善を通じて血清尿酸値低下につながる。
3.〇 正しい。1日2L程度の水分摂取を促す。なぜなら、水分不足(脱水)の場合は、血液が濃くなると血液中の尿酸の濃度が上昇し、痛風発作を起こしやすくなるため。一方、水分摂取は、尿中尿酸値の低下につながる。
4.× 動物性蛋白質(肉など)を多く含む食品は控える。なぜなら、プリン体が多く含まれ、多く摂取することで尿酸の産生が増加し、尿酸結石の再発リスクが上がるため。プリン体が多く含む食材として、豚や牛のレバー、アジやさんまの干物などがあげられる。野菜や果物、豆類などさまざまな食品をバランスよく摂取することが重要である。

 

 

 

 

 

109回 午前

77 最終代謝産物に尿酸が含まれるのはどれか。

1.核酸
2.リン脂質
3.中性脂肪
4.グルコース
5.コレステロール

解答1

解説

高尿酸血症の原因

ヒトが生きていくうえで必要なエネルギーや、核酸などの原料になるプリン体という物質である。尿酸は、プリン体を代謝した際に最終産物として産生される物質である。プリン体とは、プリン塩基と呼ばれる化学構造をもつ物質の総称である。尿酸は、プリン体がエネルギーとして使われて不要となった老廃物の1つである。通常、尿酸は、血液中と尿中に溶け、常に一定量に保たれている。しかし、生活習慣で体内に蓄積される尿酸の量が増え、高尿酸血症になるというしくみである。

1.〇 正しい。核酸は、最終代謝産物に尿酸が含まれる。核酸とは、尿酸のもととなるデオキシリボ核酸〔DNA〕とリボ核酸〔RNA〕の総称で、ヌクレオチド(塩基+糖+リン酸)により構成される。動物や植物の細胞核の中に存在し、ヒトの遺伝情報に関係するはたらきがある。
2.× リン脂質とは、細胞膜を形成する主な成分で、体内で脂肪が運搬・貯蔵される際にたんぱく質と結びつける役割を担い、情報伝達にも関わる。リン酸と脂質から構成されている。
3.× 中性脂肪(トリグリセリド)とは、脂肪酸が3本、グリセロールと呼ばれる物質で束ねられた構造をしている。中性脂肪は、エネルギー源となったり体温を一定に保つ役割をしており、人間の身体にとってなくてはならないものである。しかし中性脂肪が増えすぎると、余ったものは肝臓や脂肪組織に蓄積し、脂肪肝、肥満の原因である。
4.× グルコース(ブドウ糖)とは、エネルギー産生のもととなる自然界に最も多く存在している単糖類である。
5.× コレステロールとは、脂質の一種でコレステロール骨格をもつ化合物である。血中脂質とは、血液中に含まれる脂肪分のこと。 LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、中性脂肪(トリグリセリド)などの総称となる。

痛風とは?

 痛風とは、体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気である。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれている。男性に頻発する単関節炎で、下肢、特に第1中足趾関節に好発する。尿酸はプリン体の代謝の最終産物として産生され、代謝異常があると尿酸の産生過剰・排泄障害が生じ高尿酸血症となる。高尿酸血症は痛風や腎臓などの臓器障害を引き起こすほか、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣を合併しやすい。

 

 

 

 

 

110回 午後

15 痛風の患者の血液検査データで高値を示すのはどれか。

1.尿酸
2.尿素窒素
3.アルブミン
4.トリグリセリド

解答1

解説

痛風とは?

 痛風とは、体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気である。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれている。男性に頻発する単関節炎で、下肢、特に第1中足趾関節に好発する。尿酸はプリン体の代謝の最終産物として産生され、代謝異常があると尿酸の産生過剰・排泄障害が生じ高尿酸血症となる。高尿酸血症は痛風や腎臓などの臓器障害を引き起こすほか、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣を合併しやすい。

1.〇 正しい。尿酸は、痛風の患者の血液検査データで高値を示す。痛風とは、体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気である。尿酸は難溶性の物質で、血清尿酸値7mg/dlを超えると析出しやすくなり急性関節炎の原因になる。尿酸はプリン体の代謝の最終産物として産生される。プリン体が多く含む食材として、豚や牛のレバー、アジやさんまの干物などがあげられる。
2.× 尿素窒素は、腎機能の状態を表す指標である。高値で腎機能の低下が示唆される。尿素窒素とは、血液のなかの尿素に含まれる窒素成分のことで、蛋白質が利用された後にできる残りかすといえる。通常は腎臓でろ過されて尿中へ排出されるが、腎臓の働きが低下すると、ろ過しきれない分が血液のなかに残る。つまり、尿素窒素の数値が高くなるほど、腎臓の機能が低下していることを表している。
3.× アルブミンは、肝臓で作られるたんぱく質で肝臓栄養状態の指標となる。血清総蛋白の60%程度を占め肝臓で生成される。アルブミンが低値の場合は、低栄養状態、がん、 肝硬変など、一方で高値の場合は、脱水により血管内の水分が減少し、濃縮効果によることが考えられる。
4.× トリグリセリドは、中性脂肪を指す。この値が高いと血中に中性脂肪が多い状態である。中性脂肪は、脂質異常症(高脂血症)の診断の1つで、一般的な基準値は、血中30mg/dL~149mg/dLである。

 

 

 

 

 

111回 午後

45 高尿酸血症で正しいのはどれか。

1.痛風結節は疼痛を伴う。
2.痛風発作は飲酒で誘発される。
3.痛風による関節炎の急性期に尿酸降下薬を投与する。
4.血清尿酸値9.0mg/dL以下を目標にコントロールする。

解答2

解説

痛風とは?

 痛風とは、体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気である。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれている。男性に頻発する単関節炎で、下肢、特に第1中足趾関節に好発する。尿酸はプリン体の代謝の最終産物として産生され、代謝異常があると尿酸の産生過剰・排泄障害が生じ高尿酸血症となる。高尿酸血症は痛風や腎臓などの臓器障害を引き起こすほか、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣を合併しやすい。

1.× 痛風結節は疼痛を伴わない。痛風結節とは、痛風発作を治療せずに放置しておくと体内の尿酸が異常に多い状態が続き、手足の関節部付近や耳などに尿酸の塊が沈着してくることである。痛風により疼痛を伴う原因は、急性痛風関節炎(痛風発作)で、つまり関節の炎症により生じる。
2.〇 正しい。痛風発作は飲酒で誘発される。なぜなら、アルコールの利尿作用により、血清尿酸値はさらに上昇するため。適量は1日に純アルコールで20gとされている。尿酸値が高い状態が続くと、血液中に溶けきれなくなった尿酸の結晶が関節に沈着する。他にも、激しい運動、ストレス、尿酸値の急激な変動などが誘因となる。
3.× 痛風による関節炎の急性期に尿酸降下薬を投与する必要はない。なぜなら、尿酸値の急激な変動などが誘因となるため。むしろ症状を悪化してしまう可能性がある。急性期は症状緩和まで(炎症を収まるまで)待ち、症状が緩和したら、尿酸降下薬を投与する。
4.× 血清尿酸値「9.0mg/dL」ではなく、6.0mg/dL以下(基準値:2.5~6.0mg/dL)を目標にコントロールする。尿酸は難溶性の物質で、血清尿酸値7mg/dlを超えると析出しやすくなり急性関節炎の原因になる。尿酸はプリン体の代謝の最終産物として産生される。プリン体が多く含む食材として、豚や牛のレバー、アジやさんまの干物などがあげられる。

 

 

 

 

112回 午後

問題78 プリン体の代謝産物である尿酸で正しいのはどれか。

1.下肢末端は温度が下がるので結晶化しやすい。
2.男性ホルモンによって腎排泄が増加する。
3.激しい運動で産生が減少する。
4.利尿薬によって排泄される。
5.肝臓で分解される。

解答

解説

尿酸とは?

尿酸とは、「プリン体」という物質が体内で分解されてできるものである。分解場所は肝臓である。プリン体は運動したり臓器を動かしたりするためのエネルギー物質で、常に体内で作られている。過剰に蓄積されると痛風となる。

痛風とは、体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気である。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれている。男性に頻発する単関節炎で、下肢、特に第1中足跳関節に好発する。尿酸はプリン体の代謝の最終産物として産生され、代謝異常があると尿酸の産生過剰・排泄障害が生じ高尿酸血症となる。高尿酸血症は痛風や腎臓などの臓器障害を引き起こすほか、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣を合併しやすい。

1.〇 正しい。下肢末端は温度が下がるので結晶化しやすい。したがって、冷えやすい下肢(四肢末端)、特に第1中足趾関節に好発する。
2.× 腎排泄が増加するのは、「男性ホルモン」ではなく女性ホルモン(エストロゲン)である。女性ホルモン(エストロゲン)に作用によって、尿酸の腎排出を促すため、女性が男性よりも痛風になりにくい。痛風の9割は男性患者である。
3.× 激しい運動で産生は、「減少」ではなく増加する。激しい運動を行うことで、筋肉は消耗し乳酸が増加し、腎血流量の低下や尿酸の排泄機能が低下して尿酸値が上がる。そのため、尿酸値の高い人は無酸素運動などの激しい運動は避けたほうがよく、尿酸を増やさない有酸素運動などの軽い運動が適している。
4.× 利尿薬によって排泄されない。むしろ、痛風に対しループ利尿薬は禁忌である。ループ利尿薬は、尿酸と同じトランスポーターを競合するため尿酸の排泄が低下し、尿酸値が上昇させる。また、腎糸球体ろ過量の減少に伴う尿酸排泄の低下も原因として考えられている。つまり、痛風のリスクを増加させる要因となることがある。
5.× 「肝臓」ではなく腎臓で分解される。腎臓は、老廃物や余分な水分、塩分などを尿として排泄することで、体の中の水分量やナトリウムやカリウムといったイオンバランスを適正に保ったり、血液の酸性・アルカリ性を調節したり、体内を常に最適な環境にする機能がある。一方、肝臓は、血漿蛋白質の大部分を合成している。小腸で吸収されたアミノ酸は肝臓に運ばれ、肝臓にて蛋白質に合成され、血液によって各組織に運ばれる。そのほかにも肝臓には、①代謝、②解毒、③胆汁の生成・排泄、④生体防御の働きを持つ。

 

 

 

113回 午後

36 痛風の患者が摂取量を減らすことが望ましい食品はどれか。

 1.鶏卵
 2.チーズ
 3.鶏レバー
 4.じゃがいも

解答

解説

痛風とは?

 痛風とは、体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気である。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれている。男性に頻発する単関節炎で、下肢、特に第1中足趾関節に好発する。尿酸はプリン体の代謝の最終産物として産生され、代謝異常があると尿酸の産生過剰・排泄障害が生じ高尿酸血症となる。高尿酸血症は痛風や腎臓などの臓器障害を引き起こすほか、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣を合併しやすい。

 1.× 鶏卵/チーズ/じゃがいもは、一人前に含まれるプリン体は極めて少ない(50mg以下)。したがって、痛風の患者におすすめな食材である。
 3.〇 正しい。鶏レバーは、痛風の患者が摂取量を減らすことが望ましい食品である。なぜなら、鶏レバーにはプリン体が多く含まれるため。鶏レバーのほかに、マイワシ干物、イサキ白子、あんこう肝酒蒸しにプリン体が多く含まれる。

高尿酸血症とは?

高尿酸血症とは、血清尿酸値が7.0mg/dLを正常上限とし、これを超えるものと定義する。男性が圧倒的に多く男女比約20:1の割合である。高尿酸血症の原因は、一般的に生活習慣の乱れによるものが大半である。食事ではアルコールは重要であり、特にビールのとりすぎは高尿酸血症の原因としてよく知られている。

続発性高尿酸血症とは、別の病気や薬剤などによって二次的に高尿酸血症となるもの。原因として、白血病、腎不全、骨髄腫、先天性尿酸代謝異常、利尿菜やアスピリンの服用などである。高尿酸血症は、体内における産生亢進(産生過剰型)と腎からの排泄低下(排泄低下型)などに起因する。

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