第113回(R6) 看護師国家試験 解説【午後11~15】

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11 上行大動脈から分枝するのはどれか。(※不適切問題:採点対象外)

 1.冠状動脈
 2.腕頭動脈
 3.左総頸動脈
 4.左鎖骨下動脈

解答(採点対象外)
理由:問題としては適切であるが、必須問題として妥当ではないため。

解説

(※図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)

心臓からの動脈の解剖

左心室→上行大動脈→大動脈弓(弓部大動脈)→下行大動脈→腹部大動脈

 1.〇 正しい。冠状動脈は、上行大動脈(起始部)から分枝する。冠状動脈とは、冠動脈ともいい、心臓を栄養する終動脈(細動脈で吻合をもたない血管)である。心臓自身を栄養するために、心拍出量の約1/20(250mL/分)の血液が冠動脈へ流れている。右冠状動脈(後下行枝)は、洞房結節、房室結節、右心室、心臓の後壁および下壁に、左冠状動脈(左前下行枝・左回旋枝)は、左心房・右心室の前壁・左心室の前壁と後壁・心室中隔の大部分に流入する。
 2~4.× 腕頭動脈/左総頸動脈/左鎖骨下動脈は、大動脈弓から分岐する。

(※画像引用:岡山第一病院様より)

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【10問】心臓の解剖と生理についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

12 膵管と合流して大十二指腸乳頭(Vater〈ファーター〉乳頭)に開口するのはどれか。

 1.肝管
 2.総肝管
 3.総胆管
 4.胆囊管

解答

解説

(※図引用:「胆嚢管」wikiより)

 1.× 左右2本の肝管が合流して、総肝管となる。総肝管とは、肝臓でつくられた胆汁を流す。
 2/4.× 総肝管と胆囊管が合流して、総胆管となる。 胆嚢管は、胆汁を流すことに支障を来たさないような螺旋弁を有している。
 3.〇 正しい。総胆管は、膵管と合流して大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に開口する。ファーター乳頭とは、十二指腸の中間あたりには、胆のうからつながる胆のう管と、すい臓からつながるすい管の開口部のことを指す。初期の場合は、無症状であるが、進行に伴い、進行がんとなると胆道を閉塞するため、採血による肝機能異常や黄疸が起こる。

(図引用:「肝臓周辺臓器 名称」illustAC様HPより)

類似問題です↓

【7問】臓器についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

13 正期産となる出産時期はどれか。

 1.妊娠35週0日から39週6日
 2.妊娠36週0日から40週6日
 3.妊娠37週0日から41週6日
 4.妊娠38週0日から42週6日

解答

解説

分娩時期の分類

流産期とは、妊娠21週6日までの妊娠中絶(分娩)。
早産期とは、妊娠22週0日~36週6日における分娩。
正期産とは、妊娠37週0日~41週6日までの分娩。
過期産とは、42週0日以後の分娩。

 1~2.4.× 妊娠35週0日から39週6日/妊娠36週0日から40週6日/妊娠38週0日から42週6日は、正期産となる出産時期とはいえない。
 3.〇 正しい。妊娠37週0日から41週6日は、正期産となる出産時期である。

 

 

 

 

 

14 器質的変化で嚥下障害が出現する疾患はどれか。

 1.食道癌
 2.脳血管疾患
 3.筋強直性ジストロフィー
 4.Guillain-Barré〈ギラン・バレー〉症候群

解答

解説

器質的変化とは?

器質的変化とは、臓器そのものに炎症や癌などがあり、その結果として様々な症状が出現する病気や病態のことをいう。例えば、癌、口唇口蓋裂、その他の器質的障害があげられる。

機能的変化とは、臓器には何も異常は無いにもかかわらず自覚症状だけがある病態をいう。例えば、脳血管障害、外傷性脳損傷、脳性麻痺、その他の機能的障害があげられる。

 1.〇 正しい。食道癌は、器質的変化で嚥下障害が出現する。食道癌とは、食道に発生した上皮性腫瘍のことである。組織学的に約90%が扁平上皮癌である。好発部位は、胸部中部食道、胸部下部食道の順で、胸部中部食道が約50%を占める。したがって、食道がんの進行に伴い、固形物が飲み込みにくくなり、やがて流動食も入らなくなる(嚥下障害)。ちなみに、アルコール、喫煙、熱い食事、Barret食道、アカラシアなどが誘因である。
 2.× 脳血管疾患とは、脳の血管のトラブルによって、脳細胞が破壊される病気の総称である。おもな脳血管疾患には「出血性脳血管疾患」と「虚血性脳血管疾患」の2つのタイプがあり、これらは「脳卒中」とも呼ばれている。脳血管疾患の予防には、減塩などの食事、運動、禁煙、禁酒、生活習慣、健康管理があげられる。
 3.× 筋強直性ジストロフィーとは、進行性筋ジストロフィー内の一種である。進行性筋ジストロフィーとは、骨格筋の変性及び壊死を主病変とし、進行性の筋力低下や萎縮をきたす遺伝性疾患である。収縮した骨格筋が弛緩しにくくなる現象(ミオトニア現象)と、全身の筋力低下、筋萎縮を主症状とし、その他にも多彩な症状を呈する疾患である。
 4.× Guillain-Barré〈ギラン・バレー〉症候群とは、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。一般的には細菌・ウイルスなどの感染があり、1~3週後に両足の筋力低下(下位運動ニューロン障害)や異常感覚(痺れ)などで発症する。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。初期症状として、歩行障害、両手・腕・両側の顔面筋の筋力低下、複視、嚥下障害などがあり、これらの症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要になる。症状が軽い場合は自然に回復するが、多くの場合は入院により適切な治療(免疫グロブリン静注療法や血液浄化療法など)を必要とする。症状は6か月から1年程度で寛解することが多い。臨床検査所見として、①髄液所見:蛋白細胞解離(蛋白は高値,細胞数は正常)を示す。②電気生理学的検査:末梢神経伝導検査にて、脱神経所見(伝導ブロック、時間的分散、神経伝導速度の遅延、複合筋活動電位の低下など)がみられる。複合筋活動電位が消失あるいは著明な低下し、早期から脱神経所見を示す症例は、一般に回復が悪く機能的予後も不良である(※参考:「重篤副作用疾患別対応マニュアル ギラン・バレー症候群」厚生労働省様HPより)。

筋強直性ジストロフィーの特徴

①常染色体優性遺伝
②中枢神経症状(認知症状、性格変化、傾眠)
③西洋斧様顔貌
④前頭部若禿
⑤白内障
⑥嚥下障害
⑦構音障害
⑧筋萎縮(顔面筋・側頭筋・咬筋・胸鎖乳突筋・遠位優位の筋萎縮)
⑨ミオトニア(舌の叩打・母指球・把握)
⑩心伝導障害(房室ブロックなど)
⑪糖尿病

 

 

 

 

 

15 高血圧が原因で起こりやすいのはどれか。

 1.脳出血
 2.脳塞栓症
 3.脳動静脈奇形
 4.急性硬膜下血腫

解答

解説
 1.〇 正しい。脳出血は、高血圧が原因で起こりやすい。脳出血とは、脳を貫いて走る非常に細い血管が破綻して出血し、出血に巻き込まれた神経細胞が障害される病気である。原因として、高血圧(60%)・脳動静脈奇形・脳動脈癌などである。
 2.× 脳塞栓症とは、不整脈心臓弁膜症心筋梗塞などにより、局所に血栓(血液のかたまり)ができ、それが脳まで達して血管をふさいでしまった状態である。
 3.× 脳動静脈奇形とは、発症は原因不明、脳の中で異常な動脈と静脈が毛細血管を介さず直接つながり、この部分がとぐろを巻いたような塊(ナイダス)となっている状態の血管奇形である。正常な血管に比べて壁が薄く、破れやすいため、破れると脳出血、くも膜下出血となる。
 4.× 急性硬膜下血腫とは、短時間のうちに硬膜と脳の間に血腫が形成された状態のことであり、頭部外傷としては重症に分類される。ほとんどが頭部外傷によるもので、児童虐待の死因として最も多い。

脳塞栓症とは?

脳塞栓症(心原性脳塞栓症または心原性脳梗塞)とは、不整脈が原因で心臓内に血栓ができ、これが血流に乗って脳内の血管で詰まった場合をいう。心原性脳塞栓症とは、心臓内でできた血栓が脳の血管を閉塞して起こる脳梗塞である。 脳梗塞の中で 20~25%を占めており、他のタイプの脳梗塞と比較して前触れなく突然発症し、梗塞巣が広範囲で重症になりやすい。血栓ができる原因としては、心房細動が最も頻度が高く心原性脳塞栓症の約 7 割以上を占めており、その他には洞不全症候群、人工弁、発症4週間未満の急性心筋梗塞、心筋症などがある。

 

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